季節は巡る。
この言葉がこれほど実感を伴って降り掛かってくるのは初めてだ。それは、季節を捉えることに敏感になったと同時に、人生が巡っていくのを、様々な想いや決断や別れを、手の届く範囲で見ていたからだと思う。
冬が終わり、花が咲き、枯れ、次の花が咲く。
街を見上げると、去年もみた同じ景色が再現されている。そしてまた時間が進んだのがわかって、そのあいだに起こった出来事を振り返れば、思いもよらなかった密な時間に想いを馳せてしまう。
嵐のように過ぎ去っていった人。
しばらく心の中に閉じ込めて想っていた人。
いろんな別れを通過して、新しい季節がはじまった。